強制執行の準備(執行文、送達証明書、確定証明書)について
民事訴訟で判決が確定すると、相手方の財産を差押えることが可能になります。
ただし、差押を行う前に、いくつかの準備が必要となります。
まず、裁判所に申請して、判決書正本に、執行文を付与してもらいます。
執行文は、この判決書で強制執行ができることを証明する書面です。
次に、判決書が相手方に送達されていることを証明する、送達証明書を交付してもらいます。
さらに、判決が確定していることを証明する、確定証明書を交付してもらいます。
強制執行の際には、原則として上記の各書面が必要となります。
なお、判決が確定しなくても執行ができる、仮執行宣言付判決を取得した場合は、確定証明書は不要です。
上記の執行文、送達証明書、確定証明書は、「裁判所」に申請してと書きましたが、どこの裁判所でしょうか。
基本的には、その裁判が係属していた裁判所の係属部に申し立てます。
しかし、確定してしばらく時間が経っている場合は、事件記録が記録係へ移されて保管されていますので、記録係へ申請することになります。
さらに、1審で確定せず、どちらかが控訴した場合はどうなるでしょうか。
控訴があり、控訴審終了後に確定した場合は、控訴審で申請することができます。
ただし、こちらも確定して時間が経過すると、1審の裁判所の記録係へ移されますので、1審の裁判所の記録係へ申請することになります。
なお、控訴審で判決が変更された場合は、その控訴審の判決が確定することになるのですが、控訴が棄却された場合は、1審判決が確定することになります。
したがって、その場合は執行文を付与してもらう判決書正本は、1審の判決書正本になります。