幾波法律事務所公式ブログ

民事全般

強制執行の準備(執行文、送達証明書、確定証明書)について

民事訴訟で判決が確定すると、相手方の財産を差押えることが可能になります。ただし、差押を行う前に、いくつかの準備が必要となります。 まず、裁判所に申請して、判決書正本に、執行文を付与してもらいます。執行文は、この判決書で強制執行ができることを証明する書面です。次に、判決書が相手方に送達されていることを証明する、送達証明書を交付してもらいます。さらに、判決が確定していることを証明する、確定証明書を交付してもらいます。強...

訴訟はディベートではない

民事訴訟において、裁判官は原告の主張と被告の主張のどちらが正しいかを判断するのですが、これはどのような基準で判断されるのでしょうか。 法的にどのような事実があったときに、どのような効果が発生するのかは、民法などの実体法に規定されています。例えば、売買契約の場合、民法555条に、「売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ず...

訴訟の一般的な流れ

今回は、訴訟の一般的な流れについて書いてみたいと思います。多くの方は、訴訟について小説やドラマなどからイメージがあったとしても、実際に経験した方は少ないと思います。 まず、訴訟は大きく分けて刑事と民事の2種類があります。刑事事件は、犯罪行為を疑われた人が国の検察官から起訴され、有罪か無罪か、ふさわしい量刑はどの程度かなどを判断するものです。民事事件は、払うべきお金を払わなかったり、人に損害を与えたような場合に、私人...

不動産賃貸借の連帯保証の極度額について

すでにご存じの方も多いかと思いますが、令和2年4月1日施行の民法改正により、不動産賃貸借の連帯保証について、極度額(限度額)の定めが必要になっています。当職の2020年2月10日付ブログでも触れましたが、改めて書いておこうと思います。 賃貸でマンションやアパートを借りる際、連帯保証人を付けるように言われることが一般的ですが、以前は借主が滞納した賃料について、どれだけ金額が膨らんでも全額連帯保証人に請求されていました...

成人式

1月13日は成人の日でした。街には振袖やスーツの若者がたくさん歩いていて、成人式の賑わいを見せていました。 さて、令和4年4月1日から、民法上の成人年齢が20歳から18歳に引き下げられています。この点は当職の2022年3月17日付ブログでも詳しく書きましたが、民法上の成人年齢、すなわち、親の同意なく単独で契約などの法律行為ができるようになる年齢が、これまでの20歳から18歳に引き下げられました。 したがって、例え...

消滅時効と時効の更新(中断)

前回のブログで、消滅時効期間について述べました。その中で、消滅時効とは、一定期間権利を行使しないことで、権利が消滅する制度だと述べました。ここでいう権利を行使するとはどういうことでしょうか。   一般的な言葉の意味から考えると、相手方に対し、「貸金の〇〇円を返してくれ」「〇〇の代金を支払ってくれ」と請求することで権利を行使したことになるように思えます。 しかし、時効期間を止めるための権利行使は、単に「返してくれ...

消滅時効と民法改正

平成29年に民法の一部が改正され、令和2年4月1日から施行されています。その中でも消滅時効に関する規定は大きく変更されています。 すでに施行から3年ほど経過しましたが、重要なところなので、時効について再度確認しておきたいと思います。   消滅時効とは、一定期間、権利を行使しないことで、権利が消滅する制度です。 なお、一定期間が経過すると自動的に権利が消滅するのではなく、請求された相手方が、「時効なので支払いま...

訴訟における相手方主張の不当性について

訴訟案件の相談や打ち合わせの中で、時々お聞きするのが、相手方代理人が書面で明らかな嘘を書いている、こんなことが許されるのかという質問です。   結論から言うと、このようなことは訴訟ではよくあります。 代理人が作成する書面ですが、代理人が策を弄してそう書いているというより、本人がそのように主張しているケースがほとんどです。   代理人としては、事実関係は本人しか分かりませんから、本人に聴き取った上で、整理して...

訴訟における主張の長さについて

訴訟になると、訴状、答弁書、準備書面といった書面を提出します。 いずれも当事者の主張をまとめた書面になるのですが、依頼者からすれば、自分が依頼した弁護士がどれだけ自分の言いたいことを代弁してくれるか、どれだけたくさん主張してくれるかという部分は、関心のあるところかと思います。   他方で、裁判における主張は、民法や民事訴訟法といった決まりに従って組み立てられています。 裁判での主張は、言い合いやディベートでは...

成人年齢の引き下げについて

民法の一部改正により、令和4年4月1日から、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられます。   従前の民法は20歳をもって成年とすると定めており、20歳未満の者は未成年者とされていました。 未成年者が法律行為をするには、法定代理人(親)の同意が必要で、親の同意がない法律行為は原則として取り消すことができました(小遣いでの買い物など、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産の処分など、一部例外あり)。   し...