幾波法律事務所公式ブログ

民事全般

民法改正と不法行為の損害賠償請求権の時効について

前回、民法改正と債権の時効について書きました。 債権とは、契約など何らかの法律的な関係に基づいて、ある人からある人へ請求できる権利のことをいいます。 一般的には、お金を貸したにもかかわらず返してくれない、物を売ったにもかかわらず代金を支払ってくれないといった、いわゆる債務不履行の場合が想定されます。 そのようなケースでは、お互いに何らかの約束があり、それが守られないという形になっています。   ところが、そ...

民法改正と消滅時効期間について

すでにご存じの方も多いかと思いますが、平成29年5月26日に民法(債権法)改正が成立し、同年6月2日に公布、令和2年4月1日から施行されました。   その中で大きな改正として、時効期間に関する改正がありました。   従前の民法は、債権の消滅時効について、時効期間を基本的には10年としつつ、内容によって5年(商事債権等)、3年(工事請負代金等)、2年(賃金請求権等)、1年(宿泊の代金等)などと細かく分けていまし...

相殺と民法改正(不法行為に基づく債務)

令和2年4月1日から改正民法が施行され、債権関係の規定が変更されています。 その中で、損害賠償債務に関する相殺について、これまでと大きく変わった部分があります。   相殺とは、自分と相手方が互いに同種の債務を負担している場合において、双方の債務が弁済期にあるときに、相殺の意思表示をすることによって、お互いに同じ金額について債務を免れることができる制度のことです(民法505条1項)。   具体的に言うと、自分...

調停とは

今回は、調停について述べたいと思います。   調停とは、簡単に言うと裁判所での話し合いのことです。裁判所で行いますが、裁判とは違います。裁判は、双方が法的な主張と証拠を提出し、それに対して裁判官が白黒の判断をつける手続です。しかし、調停は裁判官が判断するのではなく、裁判所という場で調停委員を交えて話し合いを行うことで、双方の主張を理解し、落としどころを見つけ、合意に至るための手続です。 調停委員とは、裁判所から...

不動産賃貸借契約の連帯保証人と極度額の定め

今年4月1日から民法の債権法分野の改正が施行されます。 その中で、個人の根保証契約(将来にわたり特定の取引から発生する債権を包括的に保証する契約)については、極度額(保証する限度額)を定めなければならなくなりました。定めていない場合は、保証契約自体が無効となってしまいます。   不動産賃貸借契約で個人の連帯保証人をつける場合、まさに上記の趣旨が当てはまりますので、極度額を定める必要があります。 なお、連帯保証...

民法改正(債権法)について

先日、ある業界団体の会合にて、改正民法に関するセミナーを行って来ました。   来年4月1日から、改正民法(債権法)が施行されます。 民法には財産法と家族法の分野があり、財産法の中には物権法と債権法があるのですが、今回の改正にかかる部分は債権法です。 債権法はこれまで大きな改正がなく、明治29年の民法成立以来、121年ぶりの改正と言われています。   主な改正点は、時効期間の統一、法定利率の改正、個人根保証...

書面の重要性

弁護士の幾波です。 中小企業の倒産、個人の破産を中心に、債権回収や契約書チェック、不動産トラブル、相続、離婚、交通事故などを扱っています。 詳しくはHPをご覧ください。   私は過去に家電メーカーの営業職をしていたことがあります。 当時、販売店を回っていたときに、大型テレビの注文をいただきました。 当時は今と違って大型テレビがまだ高級品であり、販売店から、納品だけでなく、設置までやってくれと頼まれましたこ...