新着情報

ブログページに「相続における死亡保険金と遺産への持ち戻しについて①」を追加しました。

生命保険の死亡保険金を受取人指定していた場合、遺産分割の対象にならないという話を聞いたことがあるかと思います。   例えば父親が亡くなって、兄弟が3人いるにもかかわらず、生命保険の死亡保険金の受取人を長男に指定しているということがあります。 この場合、父親の遺産分割において、兄弟3人の法定相続分は3分の1ずつとなるはずですが、この死亡保険金については原則として遺産分割の対象とはなりません。 すなわち、遺産とし...

ブログページに「祖父母から離婚した親に対し孫の面会交流審判を求めることの可否」を追加しました。

離婚後、子の親権を持った親に対し、他方の親から子の面会交流を求めることはよくあると思います。 それでは、親以外の第三者から親権を持った親に対して子の面会交流を求めることはできるのでしょうか。 それに対する判断を示したのが、令和3年3月29日の最高裁決定です。   事案としては、両親A・Bが婚姻中、両親A・Bと子と祖父母(Aの親)が同居していました。しかし、離婚によりAとBが別居し、その後交代で子を監護すること...

ブログページに「遺言書と検認」を追加しました。

遺言書の検認という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。 遺言書は、遺言の作成者が遺言の全文、日付、氏名を自筆で書いて押印する自筆証書遺言や、公証役場で公証人に作成してもらう公正証書遺言などいくつかの種類があります。 そのうち、公正証書遺言以外の遺言については、家庭裁判所で検認という手続が必要です。 (遺言の種類・要件については、以前にも詳しく書いたことがあります。こちらをご参照ください)   検認は、家...

ブログページに「消滅時効と時効の更新(中断)」を追加しました。

前回のブログで、消滅時効期間について述べました。その中で、消滅時効とは、一定期間権利を行使しないことで、権利が消滅する制度だと述べました。ここでいう権利を行使するとはどういうことでしょうか。   一般的な言葉の意味から考えると、相手方に対し、「貸金の〇〇円を返してくれ」「〇〇の代金を支払ってくれ」と請求することで権利を行使したことになるように思えます。 しかし、時効期間を止めるための権利行使は、単に「返してく...

ブログページに「消滅時効と民法改正」を追加しました。

平成29年に民法の一部が改正され、令和2年4月1日から施行されています。その中でも消滅時効に関する規定は大きく変更されています。 すでに施行から3年ほど経過しましたが、重要なところなので、時効について再度確認しておきたいと思います。   消滅時効とは、一定期間、権利を行使しないことで、権利が消滅する制度です。 なお、一定期間が経過すると自動的に権利が消滅するのではなく、請求された相手方が、「時効なので支払いま...

ブログページに「自筆証書遺言の日付について」を追加しました。

自筆証書遺言とは、民法で定められた遺言書の作成形式の1つで、遺言者が全文を自筆で書き、作成した日付、氏名を記入し、押印するものです(民法968条1項)。全文自筆、日付・氏名の記入、押印のうち、1つでも欠けると遺言として成立しません。 その自筆証書遺言をめぐり、令和3年に興味深い判決がありました。 遺言者が、入院中の平成27年4月13日に、遺言書の全文、同日の日付、氏名を記入し、退院後の同年5月10日に、弁護士の立...

ブログページに「公益通報者保護法とは」を追加しました。

このブログではどちらかというと個人向けの話題(破産、離婚、相続)を中心に書いてきましたが、今回は企業向けに、公益通報者保護法について書きたいと思います。もちろん、企業で働く個人の方にも無関係ではありません。   公益通報者保護法については、何となく名前を聞いたことがあるという人も多いかもしれません。会社の不正行為を内部で知った従業員などが、不正の事実について通報しやすくし、それによって会社の不正行為を事前に防...

ブログページに「相続と遺産分割⑥」を追加しました。

今回は、相続放棄についてお話したいと思います。 相続放棄とは、被相続人の法定相続人である者が、相続しない意思を家庭裁判所へ申述する手続です。 家庭裁判所へ申述することが必要ですので、例えば書面に「自分は相続を放棄する」と書いて実印を押したとしても、それだけでは相続放棄したことにはなりません。 遺産分割協議の中で、自分は遺産は受け取らないと記載し、他の相続人が取得する内容に同意する協議書を作成し、押印したとしても、...

ブログページに「相続と遺産分割⑤」を追加しました。

今回は、遺産分割の具体的な手続についてお話ししたいと思います。 遺産分割は、相続人の間で、遺産を具体的にどのように分けるのか決めることです。被相続人が亡くなった場合、普通、遺産として、預貯金、不動産、自動車、有価証券など、様々なものがあります。 それらを相続人のうち誰が、どのように、いくら取得するのかということを決める必要があります。 例えば銀行預金は、名義人が亡くなった場合、相続人の1人が払い戻しの手続を行って...

ブログページに「相続と遺産分割④」を追加しました。

今回は、遺言の効力と遺留分についてお話ししたいと思います。   遺言において、遺言者は、自らの財産につき、誰にどのように相続させるといった内容を定めることができます。遺言で書かれた内容は、法定相続分と異なっていてもかまいません。むしろ、通常はそのために作成されるものと思われます。 例えば、相続人として子供が3人おり、長男はとてもよく面倒を見てくれたが、次男と三男は家にも寄り付かず、あまり面倒を見てくれなかった...