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会ったことのない相続人

ある人が亡くなった場合、法定相続人として、配偶者のほか、第1順位は子、第2順位は父母、第3順位は兄弟姉妹と定められています。

例えば父親が亡くなった長男(Aさん)という立場で遺産分割を考えた場合、一般的には他の兄弟や母親と協議することになります。
ところが、父親が今の母親と結婚する前に、別の女性と結婚したことがあるとします。その女性との間にも子供がいる場合、その子供も法定相続人となります。Aさんから見れば、腹違いの兄弟ということになります。

遺産分割においては、亡くなった方の戸籍について、生まれた時から亡くなるまでの間、全てを取得する必要があります。その中で、それまで存在を知らなかった相続人が出てくることがあります。

これまで1度も会ったことがなく、存在を知らなかったとしても、遺産分割においては法定相続人の全員の同意がなければ、不動産の名義変更や売却、預貯金の解約などができません。

また、親と折り合いが悪く、家を出た兄弟がいたとします。親子の縁を切った、勘当されたなどという話も聞くことがありますが、法律的には実の親子について縁を切る制度はありません。したがって、実子である以上、戸籍上の親子関係が残っており、法定相続人に含まれます。
昔に家を出てこの10年以上会ったことがなく、どこで何をしているか分からないというケースであっても、法定相続人であることに変わりはありません。

そういった遺産分割においては、協議をするところから難しいこともあります。
そのようなケースは、まず戸籍等の取得で法定相続人を確定させ、住民票上の住所を調べ、その上で連絡を試みます。
そして、任意の話し合いが難しければ、裁判所における遺産分割調停や審判を利用することによって、遺産分割を進めていくことになります。