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ブログページに「財産分与は申立てた方が払うこともある!?」を追加しました。

離婚の際に定めるべきことの1つとして、財産分与があります。
財産分与は、婚姻期間中に形成された財産の清算です。夫婦いずれの名義かにかかわらず、原則として2分の1ずつに分けます。
一般的には、婚姻期間中に購入する自宅や、生活費などの銀行口座の名義が夫になっている家庭が多く、離婚時に、妻の方から夫に対して財産分与の申立てがなされることが多いです。
逆に、妻の方に収入が多く、預貯金が多額に上るような場合は、夫から妻に対して財産分与の申立てがなされることもあります。

財産分与は、当事者での協議が整わない場合、裁判所に調停を申立て、調停でも合意に至らない場合は、裁判官が審判で決めることができます。

さて、申立人が、財産分与を求めて、婚姻期間中の財産を分けるように申し立てたとします。もちろん、申立人とすれば、相手方名義の財産を自分に分与してもらうことが目的なわけですが、調停・審判の中で双方の財産を調べた結果、むしろ申立人名義の財産の方が多いことが判明したとします。
その場合、申立人は、それなら財産分与はいりませんとして、取り下げることが可能なのでしょうか。また、取り下げないにしても、申立てが棄却されて終わるのでしょうか。

この点につき判断したのが、広島高等裁判所令和4年1月28日付決定です。
同決定では、「申立人が、自らが給付を受けるべき権利者であると主張し、相手方に対してその給付を求めたが、審理の結果、申立人が給付を受けるべき権利者であるとは認められず、かえってその相手方が給付を受けるべき権利者であると認められる場合において、少なくとも相手方が、当該審判の手続において、自らが給付を受けるべき権利者であり、申立人に対して給付を求める旨を主張しているときは、審判の申立てを却下するのではなく、申立人に対して相手方への給付を命じることができるというべき」と判断しています。

つまり、申立人名義の財産の方が多く、むしろ相手方に分与すべき場合で、相手方の方も、自分の方が権利者だと主張していた場合は、審判において、相手方へ支払うように命じることができるというものです。申し立ての際には、自身と相手方名義の財産について、きちんとした見通しをもって申し立てを行わないと、想定外の結果になる可能性もあるということです。